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アップルから年次イベントのWWDCにて、新たな発表。CPUを自製の
apple siliconに変えるそうだ。合わせて新OSのBig Surも発表。
アップルの年次イベントにて発表された。
長年使われたインテルCPUと決別し、なんと噂の有った自製のCPUに変えるそうだ。
その名もApple Silicon。
え、アップルの半導体ってこと?
1984年に初代Macintoshがリリースされた。当時のCPUはモトローラの68000で、白黒のディスプレイを一体とした
小さいおかもちのような風体。大学生協での割引があって学生、教員に普及していた。
Macintosh自体は商用ではおそらく初めてだろうか(AMIGAとどっちが先か失念)、マウスを装備してGUIという
概念を導入した初めてのPCといえる。当時のメジャーなPCであるIBM PCはまだマウスがない、キーボードだけの
コマンドラインが前提のものだった。
そんなMacintoshもカラーのMacintosh2がでたりしたが、モトローラが開発を辞めてしまったため、
68000系のCPUで作ることができなくなった。次善の策として、RISCアーキテクチャのIBMデザイン、
モトローラ製造のPOWER PCを採用することになったようだ。1991年にアップル、IBM、
モトローラが提携して、開発が開始。そして第1回目の「互換性のない」CPUの載せ替えをやったのであった。
そんなPOWER PCも長くはつづかず、2005年にインテルx86系に載せ替える発表をした。
当時のユーザの驚愕が想像できる。だって、MacユーザはIBM PCのことを毛嫌いしており、
マイクロソフトもインテルも大嫌い、という人が多かったはず。
なのに出資してもらうためマイクロソフトと提携し、ここではインテルと提携した。
このあたりでMacユーザはハードはどういうものでもよく、UX、ユーザ体験が変わらなければいいと
思うようになったのではないだろうか。信者は少なくなったように思う。
以後、現在に至るまでインテルアーキテクチャのCPUで作られたMacが作られ使われている。
もちろん、CPUアーキテクチャを変えることの弊害がある。簡単に言えば互換性がない。
モトローラ68000はCISCであり、POWER PCはRISCだ。アーキテクチャがそもそも違うので
マイクロコードは全く互換性がない。このためアップルは当時、POWER PCで動く
68000エミュレータをOSに実装して、従来のアプリケーションの互換性を提供したようだ。
PCはアプリケーションがないと使い物にならない。かつて国内のPCがPC98に代表されるような
独自路線の乱立をしていたころ、圧倒的なシェアを誇るPC98の前に他社のPCはアプリケーションが
少ないので買ってもらえず、だからシェアが伸びないと悪循環をくりかえしていた。
この轍を踏まないようにするには、アップルのような対応が必要だ。
一方でPOWER PCからインテルアーキテクチャに変更した際にも同様の方法を提供したようだ。
アップルが自製で提供するCPUで、グラフィック性能と話っとパフォーマンスに重きを置くそうだ。
これらはiPhone、iPadの経験から低消費電力、高性能なPCを提供することを目標としている。
やはり、今回も従来のインテルアーキテクチャ用のアプリケーションを動かせる機能を新OSの
Big Surに載せるようだ。
出典:アップル
単純に動かせることはソフトウェアなのでもちろん可能だが、ユーザが見て遅い、
重いと思わないレベルにするには、CPUの能力が大きく影響する。
インテルアーキテクチャ自身はCISCだったが、近年はRISCの考えを取り入れて高速化してきた。
その高速なインテルアーキテクチャをさらに高速なApple Siliconでエミュレーションするのだろう。
十分な反応速度なのかは興味深い。
Big SurはApple Siliconに最適化している。マイクロソフト、アドビも協力してそれぞれのアプリケーションを
Apple Silicoン向けに提供するそうだ。
発売は年末。どういう製品が出て、今後の10年20年のMacになるか、楽しみである。妻が。
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