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新MacBookが独自CPUのApple M1 SoCを搭載して登場

 

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新MacBookが独自CPUのApple M1 SoCを搭載して登場

11日深夜にアップルから3か月連続で新製品の発表があり、
とうとう新しいCPUを搭載したMacBookが登場した。
すでに速報で聴いている方も多いと思うので、ここでは自分の感想を
中心に書く。
PC、周辺機器に関するニュースのまとめはこちら。

Apple M1とは

6月に発表されていた内容が実現したという事だ。詳細は記事に書いている。

要約すると、

  • インテルCPUの性能が足りない問題が解決しないことにアップルはいらだっていた。
  • 以前と異なり最近のインテルは圧倒的な性能を提供できない。
  • 特にAI,機械学習に対する需要が今後も見込まれる。

以上から今までのようにインテルCPUを使い続けることにリスクを見つけたのだろう。

アップルのようにユーザ体験を売りにする会社はどの部品を使うかという点をユーザに訴求しない。
同じことができるなら部品はどんどん変えていくのであろう。
そんな背景から自社で作るApple M1に載せ替えることになり、今回MacBookを最初の製品として
発表した。今後2年かけてインテルCPU製品を徐々に無くし、M1に載せ替えていくようだ。

Mac2020

Mac2020

出典:アップルWEBサイト 以下同じ

M1はiPhone, iPadと同じくARMからライセンスを受けているCPUの1つだ。iPhone, iPadと異なるのは、

  • CPU、メモリ、Thunderboltコントローラ、I/Oコントローラを統合
    メモリも統合している点は新しい。逆にメモリ増設が容易ではないという気がする。
    ノートPCはいいとしてもデスクトップタイプではカスタマイズしたい要望があるだろうから、
    苦しそうだ。

    Mac2020

    Mac2020

    注目点はインテルのTigerLake同様にUSBは3.2ではなく4になり、Thunderboltを包含している点だ。

  • 5nmプロセス採用のチップ
    省電力、低発熱なのだろう。
  • トランジスタ数は160億個
    その昔、68000というCPUがモトローラから発売されていたが(モトローラはCPUと呼ばずMPUと呼ぶ)、型番の由来はトランジスタの数だった。40年強の時間の中で、200万倍の集積度になったわけだ。

M1の性能

M1は高性能と低消費電力の両方をARMベースに置き換えることで満たそうとした意欲的なCPUだ。
性能はインテルCPUと比べて最大2倍、消費電力は25%まで抑えられる。
これは8コアのCPUであるのに、インテルとは異なり4コアずつで高性能コアと低消費電力コアに
分けているためだ。このやり方はスマホのSoCとおなじであり、長時間バッテリ駆動をもたらすのに
有効な戦略だ。

Mac2020

Mac2020

つまり、

  • 性能が必要な処理は高性能コアを使う
  • 性能はそれほど必要ないが長時間動く(例えばメールソフト)場合は低消費電力コアを使う

この使い分けにより、性能と消費電力のバランスをとっている。
最近はWindowsもARMベースのPCをマイクロソフトなどが出しているが、それと同じアプローチだ。

GPUも最大8コアで、こちらも性能命で作っているようだ。WindowsPCに比べて2倍の性能のようだ。

Mac2020

Mac2020

またニューラルエンジン用のチップも統合されており、機械学習性能は従来比で最大15倍。

Mac2020

Mac2020

発表された製品

最初のM1搭載のMacとして発表されたものは、
MacBook Air
MacBook Pro
Mac mini
の3製品だ。

Mac2020

Mac2020

M1の採用でバッテリ駆動時間が延び、最大18時間になった。18時間あれば日帰りの出張でも
ACアダプタは不要だ。

Mac2020

Mac2020

CPU交換時のリスク

アップルはいままでもCPUを何度も変えてきている。上述のようにユーザ体験を売る企業であるので、
使う部品の互換性はあまり気にしていないようだ。
その場合に困るのが、ソフトウェアはCPUに依存しているってことだ。

JAVAやスクリプト言語の様にCPUに依存しない実装系もあるが、スピードがシビアに要求される場面では
今でもCPUネイティブの言語、いわゆるマシン語に変換されたバイナリが実行される。
アップルの場合は当初のモトローラ68000系からIBM Power PCに乗り換えたとき、そしてPower PCからインテルCPUに乗り換えたとき、互換性のなさからユーザにソフトウェアを買い直してもらうという不便を
強いている。こういうのをやられると、ユーザとしては非常に怒る。
アップルは反省したのか、今回はインテルバイナリをM1用に変換するシステムを用意した。
ちょうどマイクロソフトもWindows をARMで動かすにあたって、Win32アプリを同様な仕組みで
提供できるようにしている。案外両社は共同で研究してきたのかもしれない。

Mac2020

Mac2020

この仕組みにより、どこまで実行できるか不透明なところはあるが、一定数のソフトウェアをM1でも使うことができる。
2年の移行期間中にM1用のネイティブバイナリのソフトも出てくるだろう。5年もすれば多くのMacは性能面で買い替えられているだろうしその時にはソフトウェアの買い直しもあるだろう。

なお、ARMベースになったことでiPhone,iPadのアプリを使えるようになる。これが目的でM1に
換えたのではないかとも思えるが。

感想

過去の呪縛を引きずるインテルベースのCPUをやめてARMベースの独自CPUに換えた。
もともとインテルのCPUアーキテクチャは相当いびつで有り、マシン語では組みたくない。
68000系はすっきりとしていてやりやすいという評判だった。21世紀のいま、マシン語を直接使って
アプリケーションを作る人はほぼいないと思うが、インテルのアーキテクチャの縛りがまるで
増築した温泉旅館のようにいびつにしがらみを作っているのかもしれない。
このままではMacの提供するユーザ体験も制限されてしまうという危機感から、今回のような
CPU変更に踏み切ったのだろう。アップルだって、買ってくるだけで済むならインテルのCPUを
買い続けたいだろう。でもそれでは先がないと思うから、あえて自製をえらんだのだろう。

Windows陣営はインテルアーキテクチャから離れることはおそらくないと思うが、
すでにスマホやタブレットはARMベースで有り、今回MacもARMベースになったことから
そんなに遠くない日にインテルアーキテクチャのCPUは絶滅危惧種に指定されるのではないだろうか。

インテルの業績不振もあって、先が見えなくなってきた。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 

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