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RedHatが今後のRHELのソースコードに管理について発表した。Alma LinuxやRocky Linuxが反応している。
社会を支えるインフラになったLinuxのまとめはこちら。
6月21日にRedHatが突如発表している。
CentOS Stream will now be the sole repository for public RHEL-related source code releases.
意訳すると、CentOS Streamが今後は公開されるRHEL向けソースコードの唯一のレポジトリになる、そうだ。
ん?どういうこと?
Alma Linuxがブログで書いている。
英語で書かれているので翻訳してみよう、
簡単に要約すると、RPM ソースの入手方法が変更を余儀なくされています。
先週後半、私たちのビルド SIG メンバーの 1 人が、Red Hat 8 の一部のアップデートが本来あるべきようにgit.centos.orgで公開されていないことに気づきました。彼らはそれがバグであると考え、適切にレポートを作成しましたが、解決策がないまま日が経つにつれて、何かが起こっていることに気づきました。今朝、私たちは次のような答えを受け取りました。
Red Hat は、CentOS Stream をコミュニティとのコラボレーションの場として扱いながら、パートナーや顧客とソースコードを共有するためにカスタマー ポータルを引き続き使用することを決定しました。
この変更は、RHEL クローンの構築者である私たちが、ソフトウェア ソースに含まれるライセンスに従うだけでなく、Red Hat のインターフェイスに関して定められたライセンスと契約にも従う責任を負うことを意味します。残念ながら、今日の私たちの理解では、Red Hat のユーザー インターフェイス契約では、カスタマー ポータルを通じて取得したソースを再公開することは契約に違反することを示しています。
太字が重要そうなところ。
つまり、Alma LinuxでRHELで使われているものと同じソースコードを取得しようとすると(もちろんOSSなので取得に何も問題はない)、新しい規約ではカスタマーポータルを使う義務があり、それにより取得したパッケージのソースコード公開ができない。
ソースコードの公開ができないとGPLではアウトなので、使えない。すなわち、RHELとったく同じ構成のクローンOSを作ることが不可能になる。
一方でRocky Linuxはどうだろうか。こちらもブログに書かれている。
こちらも翻訳してみる。
昨日の Red Hat の発表では、RHEL のソースには git.centos.org からアクセスできなくなると述べられています。この決定により、Rocky Linux の構築に使用する自動化は変更されますが、すでに短期的な緩和策を作成し、長期的な戦略を開発中です。Rocky Linux ユーザー、コラボレーター、パートナーには中断や変更はありません。
Rocky Linuxは問題ないといっている。
Alma LinuxやRocky Linuxからの質問などがRedHatに浴びせられていると思われる。次のRedHatの発表に注目だ。
もしもAlma Linuxが危惧するようにソースコードの再配布を禁じられてしまえば、Alma LinuxはもしかしたらRHEL互換という立場を捨てて独自のEnterprise向けLinuxを目指すのかもしれない。
そうならなければ今まで通り、RHELクローンとしてリリースされていくだろう。
独自のEnterprise Linuxになったら大変だ。CentOSがない今は、有償のRHEL以外に安定したディストリビューションを選択することが難しい。
CentOS StreamもFedoraもどちらかといえば不安定だ。
続報を待とう。
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