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Seagateが決算会見の場で、30TB以上のHDDの出荷に言及した。
ストレージに関するニュースのまとめはこちら。
以前の記事はこちら。
8月の決算発表の場で、2023年度にHAMR(熱アシスト磁気記録方式)による30TB超のHDDの出荷を予告していた。
そして中間決算の場で、4月にサンプル出荷されたと分かった。
決算発表の中で、シーゲートCEOのデーブ氏が話したことを海外のブログが伝えているので引用する。
Seagate this week said that it began shipments of its 30+ terabyte hard drives based on its heat-assisted magnetic recording (HAMR) technology to one of its cloud datacenters clients. The drives are final qualification samples, but the company is on track to recognize revenue from sales of its HAMR-based Corvault systems in the coming weeks.
シーゲートは大容量化の技術としてHAMR方式を使っており、今回のドライブもHAMRで作られている。これをクラウドデータセンタの顧客にサンプル出荷したそうだ。顧客側でも評価をしているところだろう。
大容量のHDDが出た時点では、他に同様のHDDがないので大きな先行者利益を得られる。競合他社が追いついてくると価格を下げて競争になる。
この繰り返しで企業は新製品を出して改良し、儲かるビジネスを育てていく。
シーゲートも同様にHAMRという新技術を使って大容量HDDを莫大な研究開発費を投資して作ったのであろう。
それだけでは今度の収益に不安を感じているのか、新しいサービスを考えているようだ。これも引用する。
Recognizing revenue means that actual hardware — Corvault storage systems based on 30TB+ HAMR HDDs — has already been tested by Seagate, purchased, shipped, and is now being qualified by (a) Seagate customer(s). As soon as qualification is finished, Seagate will recognize the money it received as revenue.
30TBのドライブを使ったCorvaultサービスを開始するという。サービスの内容が不明瞭だが、一部のパートナに対して販売を開始しているそうだ。
リカーリングサービスで月額課金するものなのだろうか。詳細は明らかになったら見ていこう。
HAMRにしろ他の技術にせよ、技術停滞でSMRを使わざるを得なかった一時期を乗り越えて、大容量化にめどがついたようだ。
かつて2TB,3TBあたりでHDDの大容量化が停滞したときに、切り札になったのは垂直磁化だったようだ。
その後ヘリウム封入による摩擦の低減が図られ、徐々にHAMRなどの技術の浸透で最近は8TBのドライブも安くなった。
安くなった理由はおそらく、1枚の円盤に記録できる容量を増やすことができ、このため円盤を減らすことができたのだろう。
目に見えたコストダウンができる。この調子なら10TBあるいは12TBのHDDが来年中に2万円を切って出てくるかな。
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