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HDDの故障率を紹介する海外事業者の記事の紹介。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。
前回はこちら。
恒例のUSのBackBlaze社の公表データのご紹介。
今回は2020年を通した振り返りになっている。
まず同社は39,792台のHDDを追加し16,5530台を運用している。内訳は3,000台のOSブート用、
16,2530台のデータ用だ。
16,530台のHDDについて、231台のテスト用のものをのぞいて、16,299台についてのレポートになる。
まずは下表だ。メーカをみると上からHGST、Seagate、東芝、そしてWDだ。
HGSTはすでにWDに買収されているが、いまだブランドとして存在している。
日本ではあまり手に入らなくなったように思えるが、自分が使うデスクトップ用途を供給していないの
だろうかな。BackBlaze社では一番信頼できるブランドと考えている節が読める。
この表でAFR、1年間の平均故障率が最も低いものは、数が少ないか使い始めて間もないためで
あろう0%のものを除くと、WDのWUH721414ALE6L4という14TBのもの。実に率は0.16%だ。
6,000台のHDDを2か月弱使ってたった1台だけ壊れたようだ。
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ただしこのモデルは同社が閾値とするDrive Days(ドライブ台数×運用日数の累積)が25万を超えて
いないため、参考値である。25万Drive Daysを満たすもので故障率が低いものは、
Seagateの6TBのST6000DX000である。0.23%であり、886台を平均5年強使ってきてたった
2台だけの故障だ。これは驚異的な堅牢性だ。でも残念ながら新品の入手は難しそうだ。
このモデルに続いてHGSTのHDDが続く。
全ドライブを平均すると故障率は0.93%である。これは2019年のデータの半分であり、
使い方が変わっていない前提ではHDDの耐久性が上がったのか?と思われる。
なお、ざっとしか見てないので漏れているかもしれないが、DM-SMR方式のドライブはなさそうだ。
商用ストレージ業者にとってはDM-SMRは悪夢でしかないのだろう。
新しく使い始めたモデルはどうだろうか。8種類についての調査結果が下表だ。
使用期間が短いものは除外して考えると、初期不良などでどうしても率が高くなる。
しかし使っていくうちに故障するドライブが減っていき、いずれ耐久年数を超えると
再び増加する。いわゆるバスタブ曲線だ。先の最も堅牢なSeagateの6TBに比べると
高い値になっているが、それでも1%前後という。100台買って1台しか壊れないというのは
数年前に比べて優秀であろう。HDDの堅牢性については成熟してきたという事であろうか。
長年使っているドライブについての比較データが下表だ。こういうデータはなかなか世の中にない。
製造メーカでさえも、ユーザの使い方は知らないものだ。
3年間使い続けたドライブは12種類。
数が少ないものをのぞくと、故障率が低いものは先のSeagateの6TB であるST6000DX000で0.23%。
高いものはやはりSeagateの10TBでST10000NM0086の1.33%だ。
Seagateは良い製品とそうではない製品がいろいろあるようだ。そうなるのは製品の製造工場や
ロットだけではなく、設計の改良で堅牢性が上がったという事もあるであろう。
同社は3,000台のOSドライブを買っているが、SSDへの移行を開始している。1,200台のSSDを
すでに使い始めていて、SMART情報などを収集しているそうだ。
SSDのSMART情報はHDDと異なっているようなので詳細は自分は把握できていない。どこかに解説している
リファレンスがあればいいが。
そして、自分の使い方ではまだSSDが壊れたことはない。レポートが楽しみだ。
HDDはまだしばらくは大容量ストレージとしての地位を確保していきそうだ。今後も技術革新により20TBを超える
大容量製品が出てくるだろう。3TBあたりでなかなか容量が増えない時期がブレークスルーして今は18TBくらいの
製品が売られている。この5年ちょっとで6倍の容量だ。あと5年たったら120TBくらいのHDDが出ているのだろうか?
あるいはテープなどに置き換わって、HDDの存在価値は無くなっているのだろうか。
まだまだPCにおけるHDDの需要はあるので、今後もその行く末を含めて注視していく。
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