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HDDの故障率を紹介する海外事業者の恒例の記事の紹介。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。
前回の記事はこちら。
恒例のUSのBackBlaze社の公表データのご紹介。以前の仕事での経験をもとに、同社のデータをみて勝手に考察する。
今回は2022年1Q(1-3月)の状況。
※今回の原文はなぜかスターウォーズ風だが、その点は無視して書いていく。
BackBlaze社はクラウドストレージなどのサービスを提供するUSの会社だ。同社は3月末時点で211,732台のストレージ(HDD,SSD)を利用している。うち、3,860台のOSブートドライブと207,872台のデータドライブだ。
このレポートではデータ用の207,872台について書かれているが、テスト用途と60台に満たない種類のストレージ合計の394台は外されている。統計データとして扱うにはまっとうな手法だ。このため、207,478台がレポートの対象になっている。
2022年Q1もHDDの大容量化は進み、同社では最大で16TBモデルを使っている。シーゲート、東芝、WD製だ。この点は前回と同じだ。
今回のレポートで特筆すべきは、赤線をいれたモデルだ。
今回初めて、四象限の図が登場した。
縦軸は運用時間、横軸は故障率だ。
それぞれの象限の意味を書く。
この4象限を使って、2015年からのデータを使って表示すると奇妙な曲線を描くことができる。
始まりはIII象限とは限らず、IVの場合もあるようだ。これは初期不良が多いドライブといえる。
IVにあったドライブ3種類は、結局長い時間を経てIIに至っていることがわかる、
IVからIに至るドライブは途中で交換されてしまうだろうからデータがないのだろう。
Q1とQ2の境である3月31日に故障した場合、Q1のレポートには影響あるが、Q2は微々たるものだ。
これを回避するため、ライフタイムで正規化した故障率を下図で示す。
全体では故障率は1.39%だ。2021年12月が1.4%、2021年3月が1.49%であったので下がってきている。
一方で十分なデータがないドライブは、故障率(AFR)が大きな数字になっている。 8TB HGST ドライブ(HUH728080ALE604) と16TB 東芝ドライブ(MG08ACA16TA)だ。そんな中でも下記ドライブは故障率が低い。
今年あたりは20TBの普及期になり、それ以上の大容量ドライブがそろそろ登場してくると思っている。HAMRによる高記録密度のドライブが花盛りになるだろう。
といってもエンドユーザがこのようなドライブを使うにはまだまだ高価だ。最近はウクライナ危機や半導体不足、円安のために一時期やすくなりかけた6TB/8TBのドライブも値上がりしている。
こんな状況は長くは続かないし、その間に技術革新があって単価が下がっていくだろう。
来年は8TBドライブを1万円で買えるだろうか。そうなったらいよいよ10TBが手に届く範囲になってきそうだ。
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