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HDDの故障率を紹介する海外事業者の恒例の記事の紹介。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。
前回の記事はこちら。
恒例のUSのBackBlaze社の公表データのご紹介。
BackBlaze社はクラウドストレージなどのサービスを提供するUSの会社だ。同社は6月末時点で4つのデータセンタで181,464台のストレージを利用している。うち、3,298台のOSブートドライブと178,166台のデータドライブだ。
3か月でデータドライブが6,000台くらい多くなっているので、ビジネスが順調に拡大しているのだろう。
OSブートドライブの内訳は、1,607台のHDDと1,691台のSSDだ。こちらはHDDが減り、SSDが増えている。サーバ更新の際にSSDに換えているのだろう。
このレポートではデータ用の178,166台について書かれているが、テスト用途の231台と60台に満たない種類のストレージは外されている。統計データとして扱うにはまっとうな手法だ。このため、177,9359台がレポートの対象になっている。
まず、今も大容量ストレージの主力であるHDDについて。年々大容量化が進み、今回も16TBがを使っている。シーゲートのST16000NM001G、東芝のMG08ACA16TEY、WDのWUH721816ALE6L0だ。これらが3か月たって故障率が判明してきたものがある。
今回も3つのドライブで故障がなかったことだ。シーゲートのHGST12TB、そしてWDの16TBだ。これらの仕様期間はまちまちで、順に6年、2年弱、3か月だ。6年も故障0のシーゲート製6TBは優れた製品といってよいだろう。他は判断するにはまだ早いかもしれない。
他にも1台のみの故障が3モデルになっている。東芝の16TBのものを除く2モデルは3年以上の利用なのでこれらも優秀なモデルといえる。
全ストレージの年間平均故障率は1.01%となっている。前回は0.85%なので若干上がっているが、上がった理由は不明だ。
4%を越えるAFR(年間故障率)を示したものが2つある。1つは東芝の4TB。これは数が少ないので1台の故障でぐんと上がる。もう1台はシーゲートの14TB。これらは特定のサーバにはいっているもので、故障率の上昇をベンダとともに調査しているそうだ。
自分の経験からは、ロットの問題、サーバのRAIDカードのファームウェアの問題という可能性もある。続報を待ちたい。
2年前からSSDをOSブートドライブに使い始めたそうだが、HDDと同じ環境で使用している。HDDとSSDの故障率はどうだろうか。
2つの表をの右端の列はAFRだが、見比べてほしい。HDDは0%~13%とばらついているが、SSDはほとんどが0%だ。
つまりSSDは故障したものがない。
SSDは使用期間が短く台数が少ないのでまだ判断するには早いかもしれないが、現状でまとめると下表になる。
ドライブ台数×日数のDrive Daysは同じ桁なので同様の数字と考えると、故障件数がSSDのほうが少ない。このためAFRっはSSDのほうが小さくなっている。
SSDの耐久年数まで行っていないのでこの時点での判断は早いが、普段使うにはHDDよりもSSDのほうが速さだけでなく故障率も有利といえる。
次回以降のレポートで検証が必要だ。
HDDとSSDのライフタイムAFRを予測したグラフが下図。
HDDは徐々に上がっている。SSDは最近データを取り出したので、今後の動きはまだわからない。
今後どのようなグラフになるか興味深い。
同社のレポートから優秀と言えるHDDは下のものになる。
ここでは4TBから16TBまで様々な容量のモデルがそろっている。右端の列に価格が書かれているが、データセンタのエンタープライズモデルなので、普段自作PCを遣る人が買う物とは異なっている。念のため。
小容量のものはすでに購入が難しいものもあるだろう。後継モデルとされてもDM-SMRのように中身の方式を変えられてしまう場合もあるので、どのモデルを買うとハズレが少ないか、についての解はない。
DM-SMRについては下記記事参照。
解はないが、ここに載っているモデルの購入機会があればチャンスと考えていいだろう。
SSDの価格は一時の下落はすっかりなく、昨今の半導体不測の影響なのかHDD含めて上昇している。
ストレージだけでなくマザーボードなども安くない。自作PCが好きな諸兄には厳しい時期だ。
しかしちょっと前のニュースでQLCを超えたHLCが出てくるものがあった。1つの記憶媒体に最初は1つしかしかできなかったSSDがMLC、TLCとへて今はQLC、つまり4組を格納できる。この先には6組のHLCが待っている。
多くはいれば性能面や耐久性は難があるが、価格は下がる。
HDDの代わりにSSDを出す場合、高速である必要はない。普通にやってもSSDはHDDより速いのだ。
であれば、HLCとか言わず、10組くらい入れられるような技術がでてきたころにはHDDとGB単価は大差なくなっているかもしれない。
もちろんOSドライブには遅いSSDは使えないので、QLCとかその程度のレベルでいい。
HDDとSSDの役割が分かれているようにSSDも速いものと大容量のものに分かれていくのではないかなぁ。
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