IrvineのもっとPC自作日記
本ページはプロモーションが含まれています。
  
 

【故障率調査】安定した高性能HDDを求める旅2024年Q2

 

スポンサーリンク

 
【故障率調査】安定した高性能HDDを求める旅2024年Q2
   

HDDの故障率を紹介する海外事業者の恒例のBackBlaze社の記事の紹介。今回は2024年Q2の統計情報に基づく考察。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。

  
このストレージの記事もチェック!
  

2024年Q2の情報

前回の記事はこちら。

恒例のUSのBackBlaze社の公表データのご紹介。以前の仕事での経験をもとに、同社のデータをみて勝手に考察する。

今回は2024年第2四半期、つまり4月から6月の統計になっている。。

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2 出典:Back Blaze 以下同じ

レポートの概要

BackBlaze社はクラウドストレージなどのサービスを提供するUSの会社だ。同社は6月末時点で288,665 台のHDD/SSDドライブを使っている。このうち、OSブート用3,789台と統計的有意さのないHDDを除いて、データ用ドライブは 284,386 台だった。これらについて故障状況など統計をとったものが本レポートだ。

Q2の故障率

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2

100台以上が稼働し、ドライブ日が10,000を超えてて、温度がメーカ仕様を守っているものを抽出して、29モデル、284,386台について統計情報を集めている。
この表からわかるのは、AFR、年間故障率は1.71%で、前回1Qの1.41%から上がっていることだ。しかし前年同期は2.28%であって下がっている。

特に下記2モデルは故障が0件で優秀といえる。ともにSeagateだ。どちらもドライブ数、ドライブ日が少ないので、今後どうなるか中止が必要だ。

  • Seagate 14TB (ST14000NM000J)
  • Seagate 16TB (ST16000NM002J)

今期はSeagate 6TBドライブが引退し、6TBはすべてなくなった。このドライブはAFRが0.86%と優秀だったそうだ。

他には、いつも優秀だったHGSTの12TBドライブ(HUH721212ALN604)7.17%のAFRになった。HGSTの製造方法が変わり、初期不良が増えたのだろうか。

HDDの生涯故障率

生涯故障率を計算する対象は、500台以上のドライブ、ドライブ日が10万以上のものとしている。25グループに分類される。

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2

気になるのはAFRが高いもの。以下の4台だ。
4台ともSeagateだ。

  • ST14000NM0138 14TB
  • ST12000NM007 12TB
  • ST1000NM0086 10TB
  • ST4000DM000 4TB

特に14TBモデルはAFRが5.96%と高い。10TBモデルは新しい技術を実装した境界期のものだろうか。

寿命AFRの考察

次にドライブ日が100万を超えているドライブについて、平均使用期間が5年を超えるもの、5年以下のもので区別して、平均使用月数とAFRでグラフにしている。
まずは平均使用月期間が5年以下の14台。

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2

4つのエリアは以下のようにあらわされる。左上ほど壊れにくく長期間使われている
I 長期間にわたってAFRが低いもの 良好なドライブ
II 長期間使っているがAFRが高い
III 短い期間使っているがAFRが高い 現状はなし
IV 短い期間であり、AFRが低い 現時点では良好だが、今後の動きを注視する必要がある。

平均使用期間が5年を超えるものは下図。

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2

IIのエリアのドライブ2種が良好でじゃないので、移行対象になる。しかし判断は単純ではないそうで、時間経過と故障率の推移をみる必要がある。
スネークチャートと呼んでいるそうだ。
Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年Q2

この図からは、5年を経過すると、どのドライブもエリアIかIIに収束するそうだ。
この図からわかるのは垂直方向に延びていくドライブと、IIに入っていく3台に分けられる。
垂直に進むものは経過時間とともに故障率が上がるという、理想的なもので、それ以外のものは移行対象になる。

まとめ

スネークチャートは興味深い。
AFRと時間経過の相関は直感的にはありそうだが、実はそこに連動しないドライブがあり、それを見極めて早めに移行対象とすることがシステムの安定稼働につながる。
こういう情報が体系的にまとめられると、いろいろなシステムを運用する人が幸せになりそうだ。

PR

   
著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です