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3社しかないHDDベンダの1社である東芝が2Q決算を発表した。
ストレージに関するニュースのまとめはこちら。
最近は大手はどこも四半期ごとに決算を発表している。東芝もその例からもれなく、発表している。
任天堂とは異なりいろいろな事業を持っているので会社全体の状況はあまり言及してもlしょうがない。ここではHDDについてのみ見ていく。
HDD事業では特定の顧客との間で品質問題があったようで、製品保証引当金として130億円を積んでいる。またHDD市況の急激な変化により売り上げも落ちたようだ。
興味がある方はこちらを参照。
興味深いスライドがある。
4年前と比べて、データ生成量は2.2倍、ストレージ容量は2倍、HDD容量は1.9倍なのだそうだ。
データ生成とは例えば写真や動画を考えればよいだろう。撮影されたデータを保管する場所が必要で、一次的にはスマホなどのストレージが該当する。
データをクラウドにアップロードすることができるが、クラウドだって保管するためのデバイスが必要だ。
となると、大容量にはまだSSDは高価すぎるのでHDDが使われる。
ただ、上の数字を見ると生成に対して容量の増加率が少なくいつかあふれてしまうのではないか。そんな心配が頭をよぎる。
足りなくなるストレージ容量を満たすため、HDDの大容量化が進んでいる。今はFY22なので20~22TBのあたりだ。
これがFY24~25、つまり2年後に29TBの製品が出てくるという。
図にあるFY17が14TBだった。7年で容量が倍になる計算だ。
これを実現するための技術も書かれている。古くはSMR、FC-MAMRを経てMAS-MAMRに進むようだ。
SMRは本ブログでも何度も取り上げている。扱いが厄介な記録方式だ。詳細は下記参照。
MAMRは以前紹介している。その際はFC-MAMRだった。18TBのHDDを作るという話だった。
今回出ているMAS-MAMRは初耳だ。
図の下のほうに略語が書かれている。
Microwave Assisted Switching – MAMR(マイクロ波アシスト磁気記録)ということのようだ。
マイクロ波で切り替えを支援する方法による磁気記録方式、という意味と思うが切り替えとは何だろう。N/S極の切り替えだろうか。
上記リンクにあるFC-MAMRは磁束制御型のMAMRだった。
MAMRとは磁性体の極性変更をマイクロ波を使って小さいエリアに限定する方式だ。マイクロ波を当てることで(ちょうど電子レンジと同じように)当たった個所だけが温度が上がって、N/S極の極性を変えやすいのであろう。
また、HAMRという方式をシーゲートが採用している。
どちらの方式も大きすぎるヘッドに対してごく微細なエリアのみ極性を変える方式として、磁性体を温めている。その手段が熱(具体的な方法は不明だが)なのか、マイクロ波なのかという違いのみで、やり方がそんなに大きくは異ならない。
HDDの大容量化はずいぶん前からアイデア勝負になっている。普通にやったらできない。だからSMRみたいな方法がでてきた。(大顰蹙であった)
この先100TBを目指す、なんてなったらどうするのだろう。その前にSSDが安くなるのだろうか。
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