IrvineのもっとPC自作日記
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2.5GbEを搭載したNAS HDL2-AAXの性能評価 2.5GbEの性能はどうなのか?

 

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2.5GbEを搭載したNAS HDL2-AAXの性能評価 2.5GbEの性能はどうなのか?
 

地デジ番組録画に適したIOデータのHDL2-AA0/eがディスコンぽいので、次の機種を買ってみた。
このNASの使い道は地デジの退避専用なのだが、その前に2.5GbEの性能がどうなのかを調べてみた。
2.5GbEのLANを備えた地デジ番組保管向けNAS、HDL2-AAXのまとめはこちら。

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HDL2-AAXとは

日本の地デジ番組は特殊なプロトコルで転送される。諸外国ならDLNAで完結なのだろうが、著作権保護の名目でバックアップする権利を奪われ、そのための仕組みであるDTCPが実装されている。
地デジに関する録画機器は全てDTCPで実装されており、これを理解できないPCやNASには地デジ番組の転送ができない。21世紀にもなってこんな保護主義をやっているのは日本だけと思う。こんなことやっているからテレビはYouTubeに勝てないのだ。

そう文句を言っても法律は明日から変わるわけではないので、今は法律に従ってDTCPに対応したNASをせっせと買って、レコーダの容量が足りなくなってきたらNASに移動している。
色々調べた結果、DTCPに対応するまともなNASはIOデータかバッファローしか出していない。以前の検討結果でIOデータを選び、HDL2-AA0/eというディスクレスモデルを重宝して使ってきた。自宅には3台ある。

このHDL2-AA0/eもさすがに販売されてきて数年、代替わりの時期が来たようだ。HDL2-AAXシリーズが発売されている。

箱

NICは時勢に合わせて、1Gbpsから2.5GbEに変わっている。もちろん1Gbpsとは互換性があるが、せっかくなので2.5GbEで通信すればどうなるのか知りたいところだ。なお、地デジ番組のダビングはプロトコルなのかどこかでスピードの上限を決めているっぽいので、2.5GbEのメリットはなさそうだ。

ちなみにNICが変わった以外は他に大きな変更はなさそうだ。

1Gbpsでの評価準備

実はHDL2-AA0/eでは性能評価は行っていない。理由は前日の通り、地デジ番組では性能の上限が決まっていそうだからだ。
今回初めてIOデータのNASの性能評価を行うが、さすがに比較できないのでは困ると思ったので2.5GbEの前に1Gbpsで測定した。

測定するツールはいつものように、Crystal Disk Markを使う。これを使うにはNASをネットワークドライブとして見せなければいけない。まずはNASの設定を行う。

NASの設定

具体的にはネットワークドライブをPCに公開できればいい。
その前に、HDL2-AAXの内蔵ドライブを交換する。実はディスクレスよりも2TB(1TBx2)のモデルのほうがなぜか安かったのでこちらを購入して、手順に従ってドライブをDM-SMR方式の6TBのWD60EZAZに交換している。HDL2-AA0/e3号機も同じドライブを使って使えているので問題ないだろう。

そのうえでユーザを登録し、ドライブを公開した。

ユーザ設定

ユーザ設定

ボリューム状況

ボリューム状況

ネットワークドライブ

ネットワークドライブ

1GbEの性能測定結果は後述。ちなみに測定したPCは自作メインPCのJisaku7で、NASとの間にはハブが2つ挟まっている。物理的な距離は2m程度だ。

2.5GbEの用意

最新のPCがRyzen 3600のデスクトップとIntel第8世代のノートPCなので、どちらもNICは1Gbpsのものしかない。そのままでは2.5GbEにつながらない。どうしようかと考えたが、お手軽なUSB-2.5GbEに変換するアダプタを使う事とした。IOデータから2月に発売された、USB3.2Gen1に接続する変換アダプタだ。

ETQG-US3

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LANケーブルはカテゴリ6Aを用意した。

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理論値では搬送周波数が2.5Gbpsになっているので、地デジではない通常のデータの読み書きなら1Gbpsの2.5倍程度になるはずだ。悪くても2倍くらいは期待できるだろう。1Gbpsの実効値を800Mbpsとしたら、1.6Gbps(200MB/s)程度は出てもおかしくはない。うん。そうだろう。

ドライバのインストールとドライバの下図の設定のみ変更。これで2.5Gbpsで動くはず。NASとJisaku7はLANケーブルで直結する。なぜなら2.5GbEのハブは持っていない。もっと安くならないかなぁ。

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ドライバ設定

ドライバ設定

ドライバ設定

ドライバ設定

性能比較

2パターンで測定した結果を下図に示す。さらにJisaku7内蔵のドライブ(使用中)も測定した。NASは新品のHDDなので前提が異なることに注意。つまりNASのほうが性能が良く出ているはず。

2.5GbE
2.5GbE性能

2.5GbE性能

1GbE
1GbE性能

1GbE性能

DAS(SATA接続)
DAS接続性能

DAS接続性能

これを見る限り、1GbEの時の性能とReadは1.5倍程度、Writeは大差なしだ。積極的に2.5GbEにする価値はないように思える。
もちろん、マザーボード実装のNICではなくUSBから変換しているし、NASのHDDはあのDM-SMRだ。書き込みはいったんCMR状態のディスクに書き込み、あとで時間があるときにSMRのディスクに書くやつなので、書き込みが遅いのはある程度理解できる。
そうではあってもこの性能ではなぁ。なにがボトルネックでこうなったのか判然としないところではあるが、どっちにしても地デジ番組の退避の用途であれば1Gbpsで問題ないようだ。

またどちらもSATAでつなぐ内蔵ドライブにはまだまだ負けている。10GbEなら勝てるのかな?でも10GbEとHDDの性能とどっちが上なのだろう。

一般的なNASの用途で1Gbpsを超える速さが欲しい場合はあえてこのNASを選択する必要はない。もっと安いNASを買い、ドライブはもっと性能の良い、CMRのNAS用を用意して構築するほうがよさそうだ。
地デジ番組を退避するという、自分の用途としては問題なさそうだと判明した。せっかく買った2.5GbEのアダプタは何に使うかなぁ。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 
 

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