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データ保管に適したストレージ選抜2022 1Gbpsを超えるNICを持つNAS

 

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データ保管に適したストレージ選抜2022 1Gbpsを超えるNICを持つNAS
   

我が家では地デジ番組の保管にアイ・オーデータ製のNASであるHDL2-AAXへのムーブをしている。
NASというとこの用途で買ったものがほとんどだが、実際はデータ保管用でNASを買う人が多いのではないだろうか。
今回はデータ用途でどのNASを選べばよいか調べてみた。
ストレージのまとめはこちら。

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我が家の現状

我が家では昔は玄人志向の玄箱、そして挑戦者のNASを買って、それから10年弱前からReadyNASを使っていた。
ところがReadyNAS、CPUのスペックが低いためか日々のバックアップに時間がかかるようになり、高速なNASが必要になった。

4ドライブ

4ドライブ

できれば地デジムーブ先のNASを兼ねたかったが、適切なものがなかったのでデータ用には自作NASを作ることにした。
ちょうどその時は興味があったNAS4Free(今はXigmaNAS)がでてきて徐々に注目されていたころ。
手元にあったマザーボードを活用して、3TB HDD×5のRAID-Zを組んだ。
詳細は下記参照。
それ以降はRAID-Zプールを4TB×5台で増設したり、3TB×4のRAID5構成のUSB接続ケースを買ったりしたが、今のところこの自作NASがデータ用NASの要だ。

今回は自作NASというおきて破りの方法ではなく、まっとうに購入できるホーム用、SOHO用のNASについて、どういう用途でどれを選べばよいかを調査してみた。

1Gbpsを超える性能のNAS

今回はまずは性能アップが著しい昨今の情勢なので、NICに2.5Gbps,5Gbps,10Gbpsを搭載したものを並べて、ホームユース向け、エントリ向けでどれがいいだろうと選んでみる。
選ぶ観点は、地デジ用NASと同様に下記のように列挙する。項目は地デジ用NASとは異なる。

条件番号 内容 補足
1 NICに2.5Gbps,5Gbps,10Gbpsを搭載したもの(必須) 今回はUSB接続は除く。
2 NICが複数個あり、チーミングによって
性能アップができること(任意)
性能アップではよく使われる方法だ。スマホでは
CA(キャリア・アグリゲーション)という名称で同様に
複数のチャンネルをまとめて帯域を確保し、性能を2倍にする。
3 DM-SMRドライブであっても
RAID構成できること(任意)
HDD3社とも低価格化のための切り札として、性能をある程度
控えめにして容量をアップする方法としてDM(Drive側でManageする)
SMRドライブ、つまり瓦書き方式のHDDを提供している。

例えばWDではデスクトップ用の一番安価なBlueラインは、
2TB,4TB,6TBがDM-SMRであると型番から確認できている。
DM-SMRで困ることは書き込み量が多いとエラーになってしまい、
RAIDを構成する際に途中でエラーとなって構成できないと
いう事態があることだ。

今のところXigma NASで採用するZFSというファイルシステムで
使うRAID-Zではこれに該当しており、DM-SMRドライブで
RAID-Z構成はできない。

一方で地デジ用に使うNASではRAID1構成では問題なく
使えている。DM-SMRの詳細は下記参照。

ただし、性能を求める用途であれば、そもそもDM-SMR
ドライブを使わないほうが良い。

4 プロトコル(必須) CIFS(SAMBA)、AFPは必須。NFS、iSCSiは任意。
5 データ暗号化機能(必須) 使う使わないはユーザが選べればよい。個人ユースの
NASでは暗号化を支援するハードウェアは搭載していないことが
多いので、暗号化すれば性能はそれだけ落ちる。
6 HDDは冗長構成を取れ、故障した
HDDの交換は自分ができること(必須)
冗長構成は、RAID1でも5でもいい。
壊れたときに自分で修理できることが重要だ。
修理といっても、HDDの入れ替えでしかない。
7 管理コンソールが使い
やすいこと。(弱い任意)
操作に時間がかかる、あるいはどこにどの機能が
あるのかわからないのでは困る。通常は大丈夫だろう。
8 HDDの故障状況が容易に
わかること(必須)
手段は問わないがSNMPなどエンタプライズで
標準のものはホームユース向けではないのでメールになるだろう。
9 同時アクセス可能な人数(強い任意) 10人程度は最低ライン。
10 クラウドとの連携でバックアップが
容易にできること(弱い任意)
バックアップを増やすことで万が一のハード故障による
復旧不能状態を回避できる。容易な手法はクラウドへのバックアップ
であり、夜中に勝手にバックアップしてくれるような機能を想定。
11 保証期間(強い任意) 無償保証の期間があり、さらに有償延長があるか。
12 UPS対応(強い任意) 基本は24時間連続運転になるので、不意の停電を
回避するためにUPS対応が必須。数社に対応すると選択肢が増えてよい。
13 外出先からのアクセス(弱い任意) セキュリティホールになる
場合があるが、使えると便利なこともある。
14 ウィルス対策ソフト(強い任意) 有償、無償にかかわらず、定期的にパターンファイルを
更新するような一般的に利用されているウィルス対策ソフトが
NAS内で動作し、必要な場合は自動的に駆除すること。

2ドライブ(RAID1)エントリ機種の検索結果

この条件で探した。
代表的な機器で比較する。
最もシンプルな2台のストレージをRAID1で保護する機種を選ぶ。下記4機種を選定した。

アイ・オー・データ HDL2-AAX

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アイ・オー・データ

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有償ソフトの追加で、地デジ番組保管用に使えるNAS。

バッファロー LS720D

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こちらも地デジ番組保管用にも使える。nasneと連携設定も可能。

asustor AS1102T

ASUSTOR AS1102T DRIVESTOR 2 NAS 2ベイ Realtek RTD1296 クアッドコア 1.4GHz 1GB DDR4 2.5 Gigabit Ethernet (2.5G/ 1G/ 100M) x 1 USB 3.2 Gen 1 x2 Wake-on-LAN 3年保証

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ASUSの関連会社のasustorカラハAS1002Tのバージョンアップ機が登場。

QNAP TS-231P3

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QNAPは謎が多い。情報が英語のままの場合が多い。

なお、Synologyは該当機種がなかった。
他、地デジ番組保管用NASの記事も参照。

メーカ IOデータ バッファロー asustor QNAP
モデル名 HDL2-AAX LS720D AS1102T TS-231P3
搭載可能物理容量 〇8TB ×2 〇8TB ×2 ◎20TB ×2 ◎18TB ×2
1 NIC性能 △2.5Gbps △2.5Gbps 〇2.5Gbps 〇2.5Gbps
2 チーミング ×なし ×なし ×なし ×なし
3 RAID構成 〇RAID0/1 〇RAID0/1、Single 〇RAID0/1、JBOD、Single 〇RAID0/1、JBOD、Single
4 データ暗号化 〇可能 〇可能 〇AES256bit 〇AES256bit
5 プロトコル 〇SMB(1.0、2.0、2.1、3.0、3.0.2、3.1.1)、AFP、FTP 〇SMB/CIFS、FTP 〇CIFS / SMB,
SMB 2.0 / 3.0, AFP,
NFS, FTP , TFTP,
WebDAV, Rsync,
SFTP, iSCSI/IP-SAN
〇SMB/CIFS、FTP,AFP,NFS,
FTP,SFTP、iSCSI
6 HDD交換 〇可能
交換により容量拡張が可能
〇可能 〇可能 ◎可能(ホットスワップ)
7 管理コンソール 〇日本語 〇日本語 〇日本語、英語他 〇日本語、英語他
8 故障状態 〇メール、ブザー、SNMP 〇メール、SNMP 〇メール、SMS、
SNMP
△SNMP
9 利用可能人数 〇16台 ×不明 〇512 ×不明
10 クラウド連携 〇AWS S3、 Azure、OneDrive、
ニフクラ、 Cloudian、 Dropbox、
Box
〇Azure, OneDrive, Dropbox 〇Amazon S3、
Backblaze、
Microsoft Azure、
Alibaba Cloud、
Baidu Cloud、
IBM Cloud、
Rackspace Cloud Files 、
OneDrive,
Google Drive,
Dropbox,
Baidu Wangpan
△あるが詳細不明
11 保証期間 〇3年(延長は法人モデルは有償延長可能) (HDDは1年) △1年(延長は不明) 〇3年 延長は不明 ◎2年+5年まで延長保証
12 UPS 〇対応(シュナイダーエレクトロニクス、
オムロン、
富士電機、
EATON製)
〇対応(シュナイダーエレクトロニクス製) 〇対応(Advise,
APC,
BELKIN,
BlueWalker,
CyberPower,
Eaton,
FT UPS,
Legrand,Mecer,
PowerBox,
POWERCOM,
PowerShield,
PROLink,
Tecnoware,
Tripp Lite)
×不明
13 外出先からのアクセス 〇可能 (Remote Link3) 〇可能(Web Access) 〇VPN対応 〇VPN対応
14 ウィルス対策ソフト ◎Trend Micro NAS Security(有償) ×不明 〇ClamAV ◎フリー版、McAfee(ライセンス)
性能Read(RAID1) 226.6MB/s 260.7MB/s 215MB/s 不明
性能Write(RAID1) 143.5MB/s 180.9MB/s 270MB/s 不明
その他 オプションで地デジ対応
拡張ボリュームによりRAIDでも容量拡張が可能
地デジ対応、nasneから自動ダビング可能 スケジュール可能な不良ブロックのスキャン、SMARTのスキャン
監視カメラ対応

WEBで調べているが、不明な機能は×にしている。

比較

主要機種がそろったので比較表を埋めた。下表を見る限り、QNAPは不明なために×がついている機能がある反面、他社に比べて優れている機能が多く、◎が多い。12はUPS対応なので、仕事でNASを使う場合にはないと困るが、完全に個人ユースなら無くても困らないかもしれない。

なお、バッファローは14のウィルス対策ソフトの記載が見つからない。これはないと困ることが多いので、本当にないのか確かめたいところだ。

条件 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
アイ・オー・データ HDL2-AAX ×
バッファロー LS720D × × ×
ASUSTOR AS1102T ×
QNAP TS-231P3 × × ×


〇:条件を満たす  △:条件を一部満たす  ×:条件を満たさない

まとめ

2ドライブ構成でホームユースを対象とした場合は、QNAP製品の機能の多さが目立った。ただ性能情報を見つけられなかったので気にかかる。

Read性能ではバッファロー>アイ・オー・データ>Synologyの順になっている。通常の使い方ではReadが7、Writeが3の割合と考えてよいだろう。(もちろん使い方によるので一般的な目安だ)この点からWrite性能がなぜかReadより速いSynologyよりは、Readが一番速かったバッファローがお勧めになる。

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次回は4ドライブ以上の構成のNASを調べる予定。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 
 

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